2012年7月3日火曜日

ある女の子のお話




I Believe I can Fly ( flight of the frenchies). Trailer from sebastien montaz-rosset on Vimeo.


これは、「この動画が私の人生を変えた」と 、ある女の子がFacebookでシェアしていた動画です。
今日は、彼女がこの動画に添えていたストーリーと、それを読んで私が感じたことを書きたいと思います。

私と彼女は昨年の夏にモスクワで知り合いました。それほど親しくなったわけではありませんが、感じの良い優秀なロシア人の女の子でした。
2月、大学の期末試験を終えた彼女はプラハにいました。
なんとなく無気力で、先が見えなくなって、不安で、イライラして……。そういうときってありますよね?たぶん彼女はそんな状態だったのだと思います。
プラハのホステルでお酒を飲む以外何をするでもなく、ただぼんやりと過ごしていたとき、彼女はこの動画に出会ったそうです。「頭の中でぐるぐるしていたいろんな考えが急にまとまって形になって、自分を成長させるためのすごいプランができあがったの!」と、彼女は書いていました。

モスクワに戻った彼女の生活は変わりました。
まず、徐々にベジタリアンになり今ではヴィーガンとして生活しているそうです。
そして大学のカポエイラサークルに入り、ジョギングも始めたそうです。
9月にはヨガも始める予定で、いつかフリーランニング(!)もやりたいとのこと。
(余談ですがモスクワではジョギングはポピュラーではないです。ロシア人の友人はハリウッド映画などで街中をジョギングしている人を見ると不思議に思うと言っていました。実際1ヵ月半モスクワにいて街を走っている人は1度も見かけなかったし、私自身やってみたのですが何しろモスクワは道が悪いので歩道を走るのは不可能だと気付きました。↓数十メートルおきにこんなかんじで工事を途中でストップしてしまったような雰囲気。これはまだいい方で、歩道に瓦礫がそのままになっていることも普通)

更に大学での専門を変え(彼女は哲学専攻なのですが、哲学の中での専門分野を変えたようです。私には哲学のことはさっぱりわかりません)、カポエイラ発祥の地、ブラジルの言葉であるポルトガル語の勉強もしているそうです。

そして一番の変化は、音楽大学で声楽の勉強をする決心をしたこと。
「声楽の勉強をすることは小さい頃からの夢だったのに、多くの人と同じように私は夢を叶えることをずっと先延ばしにしてきたのだから、これが今一番やるべきことだと思う」と、書いていました。

これが、彼女に起きたできごとです。
「人は変われるんだって気付いた」と彼女は締めくくっていました。

私は今までの人生を割となんとなくで生きてきて、劇的に変わったという経験はありません。それは別に悪いことではないと思います。どこかで何かが変わっていたら、別の選択をしていたらきっと今とは違う人生があったのだろうけど、それは考えても仕方のないことだし、そもそもそれほど変わる必要性を感じたことがないのだから。
でも、変わる必要性を感じたときに、小さなきっかけが背中を押してくれることがあるということ、そして人は変われるのだということを自分の経験を通して彼女が語ってくれたことは私にとって大きな意味がありました。この話を思い出せば、直感に従うことを恐れて小さなきっかけを逃してしまうことがなくなると思うからです。

スウェーデンへの留学を通して、たくさんの出会いや経験、常識を覆されるようなできごとがあると思います。今までと違う環境での生活で、自分を見つめ直す機会も増えるでしょう。自分の中の何かを変えたいとか、もっと大きく、これまでの生き方を変えたいとか、そんなことを切望するようになるかもしれません。そんな時、変わることを躊躇わないように、彼女の物語を心に留めておきたいと思います。

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